センバコキ

west2692009-11-20

ワンダースリーの乗り物に似ているけど、宇宙から来た訳じゃない。これは那須塩原で見かけた。
今日の一枚は稲刈りの後の風景。機械で刈るとこんな風に円筒形に稲藁が束状になるんだそうだ。稲刈りと脱穀を同時に済ますという優れものの機械があるのだ。
白土三平の「カムイ伝」には向上心の強い正助という人物が登場する。彼は農民の労働負担を軽減し効率化を図るために「センバコキ」という機械を発明する。現代から比較すれば原始的な道具だが、当時としては画期的だった。しかし、手仕事で脱穀を行っていた女性(未亡人達)が失業してしまい、恨みを買って袋叩きにあう。センバコキはお蔵入りとなるが、その後の経緯は歴史で知られる通り。人は便利なものを手放しはしない。時代の歯車は後ろ向きには進まないのだ。
そんな訳で、こちらは長野県は佐久の風景。

同じものがこちらにも有る。束ねた稲藁達はそれぞれ勝手に散らばって日中は日光浴をしているが、日暮れ時はこのように連れ立って家に帰る。脱穀どころか、今では後片付けも要らない?