ある会話の風景

west2692009-11-19

今日の一枚は宮光園の床下補強材。土台代わりの「挟み貫」というもの。これで足元を固め地震に耐える。
塩山駅のホームには風除けのためにガラスで囲まれた待合室がある。風が強いし、電車は暫く来ないので、中で座って本でも読もうと中に入った。室内は満員で座れない。ベンチの前では夢中になって立ち話をしている二人組がいる。
相手が話し終わるのを待ちきれず、もう1人が脈絡なしに別のテーマで話しを切り出す。相手は一瞬怯むが、さらに大きな声で別のテーマを持ち出す。端で聞いていても全く意味不明だが、何だかそうやって会話が続いて行くのだ。不思議だが、時々笑い声も混じる。楽しそうな二人連れではあった。
替わりといってはナンだが、お二人の荷物が二人分の椅子に座って、大人しく電車を待っていた。人事ながら乗り遅れやしないかと心配していたが、示し合わせたように突然会話を中断し、電車に乗りこんでいった。
そんな訳で下の写真は宮光園の床張り。

板を一度剥がして、建物の傾きを直し、床下を補強して、以前と同じ床板を同じ場所にまた取り付ける。「民家再生」ならここで断熱して、新しい床板を張ってすっきりしたいところだが、文化財はそうは行かない。新しくしてしまったら価値が下がる。お金を掛けて、古くするのだ。