静かな場所

west2692010-02-23

山梨はそろそろ春の気配だが、こちらはまだまだ冬らしい。これは雪の降った田んぼ。
那須塩原の現場に着くとこんな感じなのだった。
昼間からカラオケで騒ぐ人もいれば、トントン、カンカン、バリバリと賑やかな一団もいる。大工が4人、電気職が2人、監督と工務店の社長と何をしているのか不明な職人が1人、一つ屋根の下で「とにかく前進あるのみ」といった感じで作業をしている。雪の日の外足場は滑って危険だ。屋根や外壁の作業が出来ない。
各々電動工具を持っているので、ガガガッ、バババッ、とかしましい。そんなときに限って、電話連絡が入る。しかし、「・・・です。チュイーンッ・・・か?ガガッ」そんな調子で聞き取れない。
静かな場所を求めて、片手で電話を持ち、屋根裏をウロウロし、足場板を渡り、足場を昇り降りする。大抵どこかで誰かが仕事をしていた。なるほど、これならきっと工期も間に合うだろう。
もっとも静かな場所はここにあった。

裏の田んぼから工事場を見たところ。図面を描きながらここからの眺めが一番いいだろうと思っていた。
長靴を履いてきたので雪の中を歩いてみた。空も屋根も白一色なので何だかよく分からないが、かろうじて輪郭が判る。どうやら屋根は出来たらしい。設計が終了する間際、寄せ棟屋根にこころもちムクリ(曲線)を付けたので柔らかい感じになった。
完成の頃、この水田には水が張られているだろう。その時はもうこの場所に立つことは出来ない。