古材の攻略法を考える

west2692008-10-07

今日の一枚は設計の打ち合わせの際に「こういうものを使いたいのですが」と紹介された木材。
「家を建てるのなら、これをあげよう」ということで、知り合いがくれた古材とのこと。

一瞬ただの丸太かなと思ったけど、確かに加工した後があるから古材には違いない。「へ」の字に曲った、曲がり角の近くの欠けた部分は「渡りあご」という大工作業の痕跡のようだ。軒先を支える「ハネギ」だったのかも知れない。
とにかく、攻略方法を考えるために写真を取り、寸法を測り、後は図面を見たり、天井を見たりしながら考える。

柱に使うには曲っている、梁にするには短いし、家具にするには幅が狭い。
曲った内側の縁が丸くて手触りがいいので、ベンチを兼ねた床の框に使うことにした。

下の写真のように小龍庵には食堂の床と居間の床との間に段差がある。食堂の床仕上げは板張りだが、居間は食堂から1段下げてテラコッタタイルで仕上げている。向かって右側のレンガの前にはストーブを置くので、段差に腰掛けて薪をくべたり、火の様子を見たり、居眠りをする事ができる。それに、コナラの太い柱に寄りかかることだって可能だ。

建物の完成後、古材の送り主にこんなふうに使いましたと写真を送ったということです。