ツギハギ

west2692010-03-29

2週間ぶりに宮光園の現場に行った。2階建ての部分が概ね出来たので、下屋の平屋部分の柱を建て始めている。一旦取り払った足場を再び掛けなおして、青いシートに覆われていた。
今日の一枚は「柱の先端」。ごらんのようにツギハギだらけ。この栗材の柱は釜戸屋の一部で、明治25年ごろに撮影された写真に写っていた。建物の中でも、もっとも古い部類に入る。そんな訳で普通の再生工事なら取り替えてしまう所だが、傷んでいる部分を修理してこんな風に使うことになる。
下の写真は垂木を直したところ。

右側の下半分残っているのが従来の垂木。左側の色の薄いほうは新しい材。文化財では古材は可能な限り残す。「こんな風にツギハギになっていると、後世の人に『材料をケチりやがったな』と思われるのかな」と監督が呟いた。
因みに垂木と垂木の間にある薄い板は面戸板と呼ばれる。昔はこれで小動物や隙間風の進入を食い止めていた。