教会の白い光

west2692008-10-04

ステンドグラスといえば教会にある色のついたガラス窓を連想する。それは自然なことだと思っていた。
ところが新潟にある新発田教会のステンドグラスには色ガラスが入っていない。そんな予算がなかったので、代わりに透明なガラスに障子紙で丸やら四角い模様に貼ったのだという。正面扉の両脇の丸い切抜きは人の目玉のようでもある。
貼り方も、「2枚重ねの部分」「1枚だけの部分」「貼り残した部分」といった、白と少し薄い白と透明の単純な組み合わせだ。

レンガ造りの壁に乗せた屋根の中央部分が一段高くなり、そこから内陣に向かって光が降り注ぐように計画されているが、見学会の日は雪のせいか天窓から入る光は弱々しく、室内も暗く沈んでいた。


次の朝晴れていたのでもう一度訪ねると、ミサの最中だった。外部に見える四角やら丸やらの障子模様の理由にこのとき始めて気がついた。障子を通り抜けた強弱のある変化に富んだ白い光が教会堂の中を満たしていた。とても美しく透明感のある光だった。

やっぱり建物は実際に見てみなければ本当の魅力はわからない。下の写真はそんな障子紙のステンドグラス。
ミサの最中だったので、撮影は遠慮した。これは前日の雪の日に撮ったもの。

設計者はチェコ生まれのアントニン=レーモンドという人。