環境とエコロジー

west2692008-10-21

柿渋を教えてくれたおっちゃん達は建築会社の人足になる前は製材所で働いていた。長いこと材木を扱っていたから、木のことは詳しい。クリ・ケヤキ・スギ・ヒノキ・フジ・モミ・ツガ等々。暗闇であっても肩で担げば、手触りや重さの感触で材種が判るという。材種ばかりでなく、チョウナ・ナタ・オガ・ヨキなど、どんな道具を使って製材されたのかも判別していた。

今日の一枚はそんなおっちゃん達と一緒に働いた文化財の現場。山梨市にある「清白寺の庫裏」。手元に資料が無いが、確か元禄14年の創建だった。修理の時は山梨県指定文化財だったが、2,3週間前に訪ねたら重要文化財になっていた。

休み時間におっちゃん達から聞いた話を一つ。
山奥で弁当を食べる時は現地調達で魚を捕まえる。
冬は手づかみで取るのだそうだ。凍った川の氷を割る。水に手を入れる。
冷たいが、魚のいる所だけ流れがゆるくて若干温度が高い。指先に何かが触れたら、すばやく握ると魚が取れるのだそうな。いや、手が暖かいから魚が寄ってくるんだったかな?いずれにしても真似はできない。

建築では「エコロジー」や「環境」をテーマとしている時代だが、ほんの少し前までそうした掛け声とは無関係に丸ごとエコロジーな生活があった訳だ。あまり大きな声では言えないな。

そんなわけで上の写真は「境川パーキングの猫」。ここには猫が5,6匹いて、外のベンチで昼飯を食べていると何処からとも無く集まってくる。猫だって自然だけでなく、人工的な環境を最大限活用する。こいつは写真と引き換えにチャーシューを手に入れた。