キャットウォークの吊り方

west2692008-10-31

今日の一枚は陣馬街道の家の小屋裏に使ってあった根太。

根太というのは床板を受ける部材だから、現在では真っ直ぐな角材を使うのが普通だ。
しかし、昔の小屋裏ではこんな風に丸太や曲った木材が使われていた。板を留めるために上の面だけ平らに削ってあった。板もビッチリ敷き詰めずにスノコ状にならべている。生活空間ではなく、養蚕の作業や物置に使われていたから床が多少デコボコしていても問題はなかったんだろう。

欠陥住宅の調査じゃないけど、ビー玉を置いたらたちどころに転がる床ということになる。もっとも隙間も空いているから、転がるどころか転げ落ちてゆく。昔の人はおおらかだったんだな。

今年の6月まで事務所で借りていた建物も元は納屋を改造したものだった。納屋だから、2階の梁は小さかった。その上何度かの改造を繰り返すうちに柱も抜いてあった。だから床も傾いていた。
入居に際して床張に挑戦したが、建築関係の仕事とはいえ設計が本職で施工は素人だ。下地からして傾いていたので床板も傾いたまま仕上がった。事務用の椅子にはローラーがついているので、少しずつ動いて机の前から体が離れていく。時々立ち上がって元の場所に戻す。足に力が入るので良い運動になった。やはり床は平らに越したことはないと思う。

さて、下の写真は根太に使われていた丸太でキャットウォークを吊っているところ。


キャットウォークの下に邪魔な柱を立てたくない。かといって梁も大きくしたくない。そこで、小屋梁から吊り下げることにした。
小屋梁とキャットウォークの床梁が直交するために、2本の丸太を松葉のように交差させている。この方法なら古材の梁の断面を傷めずに下の梁を支える事が出来る。真っ直ぐな角材を使うとねじれが目立つが、曲った丸太なのでねじれは気にならない。

設計図面で説明するのは大変だが、三次元のCGを見せるとベテランの大工はたちどころに理解した。次回現場に行くと、こんな感じに出来ていた。