地震のお話

west2692009-08-12

今日の一枚は以前の中越地震で崩れ落ちた土蔵の壁。仕事柄、傷んだ蔵ばかり見ているせいか、地震で無ければ一見した所は、経年変化で崩れたと勘違いしてしまうかも知れない。うかつというか不謹慎な話ではある。
集落の一角にある隣り合う家々はほとんどこんな具合に倒れていた。

古いも家も新しい家も違いはなかった。どちらも大きな被害を受けていた。この集落では家の周りを水田が取り囲んでいる。むしろ、水田の上に家を建てていたと言った方が正しいのかもしれない。軟弱地盤だ。
ウロウロ、キョロキョロ歩いていたら、倒壊家屋の集まっているところから、30mほど外れた所に家を2軒発見した。
片方は茅葺古民家、もう片方は現在のつくりの家だ。鉄筋コンクリートで造った車庫の上に木造2階建を載せている。この地域独自の工法なんだそうだ。
不思議なことに、どちらも無傷に見えた。不思議に思い近づいて観察してみた。2軒とも水田の一角から離れた小高い場所に建っていた。地盤が良かったのだろう。同じ強さの地震であっても地盤の条件で被害が異なる訳だ。
伝統的な工法が弱いとか強いとか、「石場建は免震効果があるので安心である」といった話を聞くけれど、僅かに離れた場所で、地盤の条件が異なるだけで、こんなに結果が異なることがある。ことはそんなに単純じゃない。
下の写真はそんな風に生き残った2軒の家。