電気仕掛けの水車

west2692009-08-29

今日の一枚は「突き臼」。石で出来た臼といえば「曳き臼」を思い浮かべるが、中にはこんなものもある。臼の穴の内側が手のひらで玉を包み込む時のような形になっている。この穴の中にモミを入れて杵で突く。杵で突くと、押されたモミは内部の壁面に沿って、押し上げられる。杵を持ち上げて臼から出すと、その隙間にはモミが落ち込む。再び杵で突く。繰り返してゆくと、臼の中で回転しながら籾殻が剥けて行く。籾殻は軽いので臼の上に集まり、臼の下のほうには脱穀された中身が残るのだそうだ。杵の上下する動力は水車を使う。車軸の回転を利用して杵を持ち上げて、重力で下に落ちる。昔はこんな単純な動きと形だけで精米をしていたらしい。

木材みたいに不均質な素材で造る場合はホイールバランスを取るのが難しい。かつては専門の大工さんもいたのだ。そんな訳で、観光客向けの飲食店で見かける水車のなかには電気で廻っているものもあるという。

下の写真は妻籠で見かけた水車。この小さな水車で何を曳いているのかは分からないけど、電気仕掛けじゃなさそうだ。観光客もまばらな朝から元気に廻っていた。