迷惑な話

west2692009-08-24

今日の一枚は水路。宮光園の敷地内の草叢に幅4,50センチの水の流れる溝があった。公図で見ると、もう少し広い水路として表現されていた。古い写真の建物の足元にも石で造られた川の縁が写っている。そんな訳で、水路の内側と底にある泥を取り除くとこんな水路が出て来た。まだお目にかかっていないが、沢蟹もいるんだそうだ。誰かが「子供達が喜ぶぞ」と話していた。夏休み前のある日、この溝で虹鱒(?)が泳いでいるのを見かけたが、夕方には職人の晩酌のつまみになっていた。哀れな話ではある。人の居ない荒れた場所だから、彼らも生き延びることが出来た訳だ。整備され、公開されると、食べられたり、子供のおもちゃにされるんだろうな。彼らにとってはサンクチュアリだったのに、迷惑な話だ。

さて、主屋を揚屋した後は基礎の石を据えなおす。下の写真でずらりと並んでいるのが、基礎石を支える自然石で「根石」と呼ばれるもの。

根石の横に無造作に転がっている長方形の石が土台を支える基礎石。凸凹した石を削り合わせて敷き並べたのだから大変な労力だ。しかし、基礎石の下に「根石」のあるところもあれば、地面にいきなり置いているところも何故かある。臨機応変というか、出たとこ勝負というか、長い年月の間に行われた様々な手法が入り混じっているのだ。中には以前建っていた古い建物の基礎を、ちゃっかり再利用したと思われる場所もある。どの方法に倣うのが正解なのか解からない。答えは複数ある。今回はそれぞれの場所の流儀にあわせて基礎石を並べなおし、この上に再び建物を降ろす。