時効

west2692009-08-09

今日の一枚も中込学校です。これは太鼓楼に登る階段。
測ってみると、踏み面が150ミリ。蹴上は240ミリあった。もちろん、頭が天井につかえる。堂々たる既存不適格だ。山梨の「宮光園」にも同じような階段があるが、県の建築指導課からは「既存不適格の階段は閉鎖してね」という指導があり登ることは出来ない。その点長野県はおおらかだ。
話し変わって、実は太古楼にはちょっとした思い出がある。もう20年は経っているから時効だと思うけど、明治時代に出来た学校の復元予想図を描いたことがあるのだ。
それは山梨県須玉町津金に残っていた藤村式という擬洋風建築だ。後世の改造を施された建物と、古い卒業写真が一枚残っていた。 →古写真。建物を調査し、痕跡と写真を基に復元図を描いた。聞く所によると、この建物にはかつて太鼓楼があったという。太古楼とは先日中込学校で登ったやつだ。屋根裏に登ると確かに柱の跡があった。それじゃ、これを基に太鼓楼の絵を描けという・・・・。
友人のI工務店の専務と一緒に、「どんな建物だったか記憶はありませんか」と周辺の年寄りに聞き込みもしたが、判明はしないし、証拠写真も出てこない。すでに「明治は遠くになりにけり」だったのだ。
それじゃあと、若さゆえの無知というか恐れ知らずというのか、現存する藤村式やら、擬洋風の資料を基に想像で描いてしまったのが今ある太鼓楼なのだ(ここだけの話です)。
なんと、恐る恐る描いた図面の通りに出来てしまった。 →太鼓楼。こんなことならもっとカッコ良くしておけば良かったな。後世の人はその辺、気をつけて欲しい。
下の写真は中込学校の太鼓楼の太鼓。叩いたらドンと乾いた音がした。