俳人の家

west2692008-11-09

今日の一枚は「向井去来の墓」。嵯峨野にあった。
高さ30センチくらいの自然石に「去来」と彫って、庭先に立ててある。

京都は中学・高校の修学旅行とその後1,2回短時間の町歩きをした程度で殆ど縁が無い。
この時は前日に用件を終え運良く時間が出来たので、市内を見学することにした。

当然のことながら京都は有名な寺が多い。「おお!これが、あれか」といった調子で、あっちこっち眺めたり、夢中で写真を撮り始めるが、一日中歩きまわればさすがに集中力も落ちてくる。

夕方近く足も痛くなり始めたころ「落柿舎」に着いた。ここには向井去来という俳人が住んでいた庵なのだという。豪壮な寺院建築や緊張感のある庭を見た後だったからか、ささやかな人の住まいには安堵感が漂うようだ。
下の写真は門から屋敷内を覗いたところ。

茅屋根・杉皮・土壁・木材など、寺院も民家も素材をみれば共通点は多い。しかし、空間の構成・質感・プロポーションの変化で、緊張感のある建築もできれば安堵感のある建築もできあがる。

壁にはこんな風に笠と蓑が掛けてあった。俳人の住まいだけあって、日常の生活にも美意識が漂うんだなと思った。

最近知ったが、じつはこの笠と蓑が掛けてあるのは「在宅」の印なんだそうな。