山梨の草葺民家

west2692008-11-23

山梨日日新聞社で出版した「山梨の草葺民家」という本がある。この本には馴染み深い旧塩山市内の民家も紹介されていて、ぺらぺらページをめくっていると、見たことがある民家や風景が混じっている。同級生の家もあった。その中に「この家は絶対に見たことがある」というのがあったが、それが何処なのか長いこと思い出せずにいた。
ある日その家の前を通って、突然「何だこれじゃないか」と気がついた。小学校への通学路にあった一軒の農家だ。6年間も毎朝のように前を通っていたんだから知っているはずだ。麦藁屋根を遥か昔にカラー鉄板で覆ったので見落としていた訳だ。壁の漆喰の落ちた後の形や、入り口のブロック塀は同じだった。どうということは無いのだろうが、大発見をした気持ちになった。
今日の写真はその民家。本日撮りたての一枚です。
話題の民家は突き上げ屋根を持つ典型的な甲州民家で、かつて松里村と呼ばれた干し柿の産地に建っている。今年も軒先でたくさん干し柿を作っていた。古い民家が年々消えてゆくのを見ているので、こうやって現役で働いている所を見るとなんだか安心する。

そんなわけで、下の写真は農家の庭先で見かけた干し柿の風景。

こんな風に柿をむいて天日干しする。11月の雨の降らない数週間、柿の玉すだれが一斉に現れて一斉に消えると今年の秋が終わる。