和洋折衷

west2692008-11-05

今日の一枚は古河庭園の鴨。

北区王子の古河庭園には洋館とバラ園と日本庭園がある。
微妙な組み合わせだが、建物から2種類の庭が同時に目に入らないように高低差や樹木を利用して配置されている。バラ園からも和風の庭があるようには見えない。

そんな具合にちょっと冷遇された日本庭園の池にこの鴨はいた。鳥といえども挨拶もなしにいきなり写真を撮るのは失礼なのか、あまり協力的な態度ではなかった。
光の安定した場所では下を向いたり、背中を向けたり、遠くにいたりとなかなか撮影できない。露出の難しいコントラストの強い場所まで近づいて初めてこちらを向いた。

さて洋館の方は、イギリス人の建築家ジョサイア・コンドルの設計による。

外館は見ての通りチューダー式とでも呼べそうなデザインだ。内部も居間・食堂に暖炉を備え、各個室にはそれぞれ水周りが整備されている。本格的な洋館建築ではあるが、じつは和室がこっそり組み込まれている。
内部のロビーに面したヨーロッパ的なデザインの扉を開けると書院造の和室が出現する。

和洋折衷の処理は庭の構成と同じ考え方だ。和の部分を洋の部分から完全に隔離することで成り立つ。

なんだか、テーマパークやホテルを名乗る温泉旅館の和室を思い起こす。これが元祖なのか。

ちなみに一般の日本家屋では見かけない障子のデザインを見つけたので、スケッチして寸法も測ってきたが、小さなメモだったので何処かに行ってしまった。ポケットサイズのメモ帳は便利でもあるが、紛失の恐れもある。これからは気をつけよう。