鴨のいた風景

west2692010-01-31

佐久平を軽井沢方面に向かって走るバイパスは水田地帯を乱暴に突っ切ってひたすら直線に走る。従来からある集落の構造なんか無視して機械的に計画線を引いたんじゃないかと、便利に利用しながらも文句を言う。
その一角にポツリと欅が固まって残っている林があって、見ると足元に小さな社が見えた。今日の一枚。
数本の大木に取り囲まれているだけで廻りを取り囲む塀もない。鳥居と石灯籠と中心を通る参道と脇を用水路が流れているだけだが、それだけでそれとなく神域とわかるのが面白い。幸い道路から遠く離れているので、周囲にはまだ結界みたいなものが漂っている。
先を急ぐが、時間はまだある。これからも何度も通るだろうが、撮影するチャンスがあるとは限らない。人生は一期一会なのだ。
急遽Uターンして写真を撮ることにした。農道の端に車を停めて、冬枯れの田んぼの中を歩いて撮影ポイントを探す。水路に近づくと、突然羽ばたき音と一緒に数羽の鴨が飛び立った。急いでカメラを向けるが、デジタルカメラの動きは遅い。スイッチを押してチョット待ってから起動する。液晶画面が点灯して、シャッターがスタンバイするころには見えなくなっていた。やはり一期一会なのだった。
下の写真は彼等の飛び去った後の用水路。