事例集「民家再生の実例」について

west2692009-01-31

今日の一枚は蛮風亭の竹で出来た屋根。
この度、丸善で出版した「民家再生の実例」に蛮風亭が掲載されました。
民家協会から出版される作品集としては3冊目となります。民家の再生とは直そうとする建物固有の構造や素材の魅力を発見して生かすことなのだと考えていますが、蛮風亭はそういった考えが強く出ている事例だと思います。

敷地内に竹が生えていることに着目して、天井・屋根・手摺に竹を使っています。竹は成長が早く、真っ直ぐに育ち、弾力性もあります。細いものでも並べれば板状になるので、丸くて凹凸があるのが難点ですが、床に使うのでなければ問題ないと天井に張っています。腐りやすいが、「竹は毎年生えてくるから大丈夫」との建築主の言葉に励まされ、半分に割って互い違いに重ねて屋根にしました。週末使いであることを良いことに、設計側としては実験的要素を色々と提案できて楽しい仕事でした。

さて、下の写真は同じ蛮風亭の屋根の写真。

こちらは耐候性の高い金属製の波板。屋根の天辺にある小さい屋根は「越屋根」。採光や囲炉裏の排煙や夏の排熱に使われていたのでしょう。今は養蚕はやらないので、排煙・通風の機能は不要になりました。採光の機能だけは残して越屋根の壁を白い樹脂製の波板で仕上げています。また内側には断熱用に中空ポリカーボネードを設けています。このトップライトからの白い光が柔らかく小屋裏を照らしています。