「建築の世界」

west2692009-02-01

今日の一枚は菅沼部落。
菅沼部落について最初に見つけた民家がこれ。
ここのお店には何故か「にしんそば」があった。献立も珍しいし、腹も減っていた。そこで、とりあえずここから見学をすることにした。合掌造りの内部に入るのも初めてだったので、コーフンのあまり食事もそこそこに同行のN君と巻尺で柱やら梁の寸法を測り始めてしまった。そんなわけで珍しいはずだった「にしんそば」の味は覚えていない。

さて、合掌造り民家の裏山は富士山ほど個性的でもないし、エベレストみたいに高いわけでもない、申し訳ないが手前に合掌民家があって初めて五箇山地方なのだと意識できる普通の風景だ。

手元にある「建築の世界」(クリスチャン・ノルベルク=シュルツ)という本にはこんなことが書いてあった。「建物は人の居住した景観を人の近くにもたらす」。

判ったような判らないような文章で日本語を読むことにも自信を無くすが、「建物が存在することによって、人にとっての景観の意味が判る」というようなことをいっているのかな。

それならば先日「言葉(命名すること)は世界を切断する」と書いたが、建築には環境を生成したり、場所と人を結びつけたり、場所に意味や記憶を与える働きがあるといえるだろう。

確かに、半分はその通りだと思う。合掌民家が写っているおかげで食事した場所は思い出せるが、建築の見学が過ぎたおかげで味は思い出せない。