築300年

west2692009-01-23

200年住宅ってどんなもの?どうやって造るの?仲間内でそんな質問がでた。あらためて言うまでもないが、実は良く判らない。
ならば、築後200年の実例を見ようじゃないかということで探してみた。そんな訳で今日の一枚は富士吉田市にある「宮下家住宅」。軒下の写真。創建は1707年なので、200年を遥かに超えて300歳以上の長寿命建築だった。
柱や梁などの主要な木材はむき出しで常に乾燥状態にある。外部も雨に濡れてもすぐ乾くように造られており湿気で木材が腐食する心配は少ない。
写真からもわかるように床下の通風も良い。白蟻の心配は皆無だろう。茅屋根も壁との間には隙間が多いので屋根裏が蒸れて腐ることはないだろう。居住性はともかく、耐久性のポイントは概ねこんなところだろう。

ところで、江戸時代の平均寿命は諸説色々あって良く判らないが、40年弱と言われている。
最近の日本人の平均寿命は女性86歳、男性もほぼ80歳になるという。そして、現在の木造住宅の耐用年数が25年。
因果関係の有る無しはともかく、建物の耐久性と人間の寿命どちらが長い方がいいんだろう。

下の写真は座敷から土間を見た風景。創建当初の古い民家はこんな風に太い柱が狭い間隔に建って屋根の重みを支えている。壁も多い。こうして地震や風雪に300年耐えてきた。