建築の各部分の名前

west2692009-01-28

物は名前があって、初めて他のものと区別出来る。人間だって漠然と大勢に向かって、「ねえキミ」では誰を呼んだのか、誰が呼ばれたのか区別できない。一人一人に名前がある所以だ。「名前をつけることは世界を切り別けることだ」みたいなことをどこかで誰かが言っていたような気がする。ちゃんと覚えておけば良かったが、忘れてしまった。

今日の写真はあるお寺の軒先。ここに見える部材にもそれぞれ名称がある。
うろ覚えで記すと、柱の上の水平材が頭貫、その上にある四角いのが大斗、腕見たいな材が肘木・斗栱、半円形櫛型の支輪が支えている丸太が丸桁、1段目の垂木を地垂木、2段目を飛燕垂木と呼ぶ。名前がなければ漠然とした木材の集まりだから形や構成を覚えるのも大変だろう。
ちなみに、2つの大斗の間で股を広げて踏ん張っているのが「蛙股」。先日の動物由来の名称だ。
さて、最近聞いた話では五重塔の屋根はそれぞれ陰陽五行説で言う所の五元素、水・火・木・金・土を指すのだとのこと。
どの層がどの元素を差すのか、残念なことに聞きそびれてしまったが、木屋根・金屋根・火屋根などと呼ぶのだろうか。

そんな訳で下の写真は山梨県甲府市にある東光寺の五重塔