幻のリベット接合技術

west2692009-03-22

今日の一枚はリベットの断面。リベットとは昔の鉄骨の接合に使われる技術で、簡単にいえば現在のボルトみたいなもの。学生時代に鉄骨構造の授業で教わったが、ボルトで締める代わりに、熱して熱くなった奴を差し込んでカンカン叩いて頭を潰して抜けなくするんだとか、真っ赤に焼けた状態で手渡したり受け取ったり、話によると放り投げた熱いリベットを空中で柄杓のようなもので受け止めるとか、何処まで本当の話なのか解からないまま授業を終えた。
実務について何年も経つが、実際の作業を見る機会も無かった。遠い昔の失われた技術なんだとすっかり忘れていた。

写真のリベットの断面は造船に使われていたリベット接合の部分を切断したもの。文鎮代わりに展示してあった。
リベット接合とはもっとガタついた接合と思っていたけれど、接合性が高くほとんど一体化している。ちなみに文鎮で押さえている文章は造船所建造についての解説文。

下の写真はそんな造船技術を応用したリベット接合でできた工場の柱。

規則正しく無数のリベットがディンプル模様みたいに並んでいてなかなか美しい。金属が有機的な素材に見えてくる。どこかで何かに応用できないかなどと考える。