ベンガラ土壁

west2692009-03-12

今日の一枚。あんこでもない。味噌でもない。泥を混ぜているところ。「三つ子の魂云々」ではないが、子供の頃泥団子を良く造った。団子状の泥の固まりを手のひらで擦っていると段々艶が出てくる。今でも土の壁をなでるのは好きだ。最近知ったが泥団子の磨き加減のコンテストもあるらしい。成る程、その気持ちは判るような気がする。
さて、写真の泥が赤いのはベンガラを混ぜているから。ちなみにベンガラの語源はインドのベンガル地方から来ていると聞いた。漢字で弁柄とか紅殻などと書く場合もあるようだ。ちゃんと当て字があって、しかも「赤い」という意味も伝わるところが面白い。まったく違う言葉のはずだが、漢字を見ていると意味が分かる。そういえばお経もインド原産だ。諸行無常とか、支離滅裂とか…。
話は戻って、以前珪藻土にベンガラを混ぜて塗ったら、なかなかいい仕上げになった。
段々自信が付いてきて、今度は土塗り壁の中塗り仕上げにベンガラを混ぜている。左官材料は工夫次第で様々な表現が出来る。漠然と出来合いのものを使っていてはもったいない。この際だからと、色々実験をする。ベンガラの名で販売されている色粉にも、赤やら黄色・オレンジ・黒・白等々ある。とりあえず黄色とオレンジ・赤の3種類でサンプルを作って見た。黄色・オレンジは土の色に近いので、それなりに渋いのだけど、混ぜた効果が高いのは赤色だった。
下の写真はベンガラを混ぜた土壁のサンプルと仕上げた土壁。