妖怪「しがらみ」考

west2692009-03-05

昨日の続き。天花粉の妖怪とはいわゆる「しがらみ」のことかも知れない。頼んでもいないのにまとわりついてくる、厄介なものであるにもかかわらず、なかなか切り離すことが出来ない。しかし、果たしてしがらみの無い生き方ってあるんだろうか。
さて、今日の一枚は「線路」。上記の旧海軍倉庫の前を通って海へと延びてゆく。船に乗せるための資材をここから港まで運んだ訳だ。利用する貨物も無く鉄も錆びているが、不思議なことに今でも残っている。

下の写真は3月3日紹介の旧海軍倉庫。

ここのところ、錆びた鉄やら鉄骨やら撮影しているが、これは錆びた外壁。色の剥げ具合が実に渋い。
ジョン・ラスキンは「建築の七灯」いう著作で、『光の当り方とか、状況で美しさの評価が左右されるような建築の観賞はケシカラン』と忠告していたが、こういう表情に惹かれるのは職業柄どうなんだろうな?
カラー鉄板小波板という名前でホームセンターなんかで売っている素材だが、昔は我が家で所有の工場も同じ素材を使って屋根も壁も張りくるんでいた。安価だが、薄い素材だからすぐ穴が開く。工場の屋根にも穴が開いていて、中から外が見えたけど、不思議なことに雨は漏らなかった。きっと倉庫に使うには相応しい素材なんだろう。