長屋門 危機一髪

west2692009-04-05

今日の一枚は龍ヶ崎の家。右側奥が再生予定の主屋。左手前に見えるのが長屋門
移築して再生する為に、ある家を調査に行った。明治23年に造られたという、しっかりとした商家だった。通りに面して店がある。店に並んで長屋門があって、主にこちらから出入りしていた。無人になってしまったので、主屋と長屋門を譲って頂けるとのことだった。庭にも魅力的な石があって、「良ければこちらもどうぞ」とのこと。しかし、主屋に加えて長屋門まで移築するのはちょっと難しい。
長屋門はすでに端の方が傷んでいて、お隣さんの家にもたれかかる直前だ。酔っ払いがチョイト寄りかかるのと違って、これだけの重さが寄りかかると相手もダメージは大きい。早急に対処しなければならない。修理は出来ないので、解体するしかない。欅材を使った立派な門なので残念なことだと思った。せめてもの記念に小さな潜り戸だけでも引き取って、再生する主屋の一部に組み込むことにした。
さて、門は3月中に姿を消すはずだったが、解体業者がグズグズするうちに、近くのお寺の住職が聞きつけて運良く再生する運びとなった。ついでに庭木も庭石も引き取り手が現れた。
建築の仕事は決断や行動が遅いと、時を逸することが多いけど、こういう例外も時にはある訳だ。ところで、門があっても潜り門が無ければ格好が付かない。もちろん、喜んでお返しすることにした。
下の写真はそんな命拾いをした庭の木達。