生存最適空間

west2692008-09-15

隣家の屋根の上では時折こうして、野良猫が寝ている。
『焼けたトタン屋根の上の猫(どんな話か知らないが、イライラを抑えているという意味らしい)』という戯曲の題名が思い浮かぶが、実際夏は暑くて居られないし、猫はそれほど我慢強くない。
だから、こうして身を晒して寝ているのは気候が穏やかな季節とか陽射しが嬉しい季節だけに限る。
「身を晒して」と書いたのは、同じ屋根の上に置いてある直径30センチほどの紙管の中で丸くなっていることが多いからだ。屋根の上なので誰にも邪魔をされず、気が済むまで存分に寝ている。

子猫も居るようだが、あるじが板金職人たる隣家はこの猫の周辺に転がっているような雨樋やら金属板やらが屋敷の周りに小山のように積み重なり、その上にツタやらシダやら何やらの植物が生い茂って小さなビオトープと化している。時に子猫の声はすれども姿を見せることは、めったにない。
猫の一族は隣家に住んでいるが、どういう訳か我が家の庭(草茫々です)をトイレ代わりに使用している。
「水清ければ魚住まず」。手入れ不届きな我が家の庭でも、彼等にとっては心休まる生存最適空間なのだろう。

さて、下の写真は当社工房部がある再生民家の玄関に設けた照明器具。ヤモリ(屋守)型ランプ。「いらっしゃいませ」とのお出迎えと共に、魑魅魍魎やら厄災などから家を守るように目を光らせる。さすがにシロアリは困りますが、その他の虫やら小さな動物には穏便に対応願いたいものです。