杣口の家 宿泊体験

west2692008-12-28

今日の一枚は杣口の家に飾ってあったお雛様。奥様の母上の作。
昨夜は杣口の家で忘年会だった。
「杣口の家」は床下に設置した温風器と板の間にある炬燵だけで40数坪の暖房をまかなう。
床下の温風器は室内の空気ではなく、床下のコンクリートを温めることを目的に設置してある。

さて、建物は標高600メートルを越える斜面に建っている。夕方はまるで地震かと思うような衝撃音と振動を伴う強い風が吹く。
移築再生の民家とはいえ居住性能を上げるため、断熱性能と気密性能はそこそこ確保してあるはず。それにしては何だか隙間風があるなあと思っていたら、1階の浴室と2階東側の高窓を閉め忘れていたことに夜の10時頃気が付いた。どの程度の暖かさだろうと話題になった。ゲストの1人Hさんがスティック温度計という珍しい道具を持っていた。これは物質の表面温度を瞬時にして測定する優れものらしい。試しに測ってみると、床の表面温度17度。お茶50度。額25度。耳の穴、約34度。外気に面する窓(障子)11度。室温14度といった具合。パッシブソーラーハウスの設計が多いわが事務所にも一台欲しい。市内のホームセンターにあるとのことだったので、本日夕方出かけたが既に売り切れていた。残念。

南アルプス市から自動車通勤のN君はお酒を飲んだら帰れない。自分達が設計した家に泊まるのもいい経験ではないかと2人で泊めて頂くことにした。下の写真は我々が泊まった和室。

就寝時は床下暖房機だけが吹き出し温度は20度を18度に下げて動いている。寝室も廊下もトイレもほとんど温度差が無く、夜中に起きても寒くない。床下から温められるので、蒲団も暖かい。快適に眠る事が出来た。