建築の歴史

west2692011-10-11

今日の一枚は「鉋掛け」。東京フォーラムのUIA大会の会場ではこんなことをやっている人もいる。台鉋を使ってどこまで薄く木を削ることが出来るかをチャレンジする。刃の幅はおよそ30センチ位だと思う。想像するに幅広の刃物を真っ直ぐ一直線に引くのは至難の技だろう。刃物の先端を鋭利に研ぎだすのもなかなか難しい。薄く削り出された鉋片はレースのように透けている。受け取ってバックに入れて持ち帰る人もいた。

そうかと思えば、その隣のブースではマサカリ大工がこんなものを展示している。

手製の石斧。繊細な木工技能を披露する隣なのに、こちらは限りなくラフなのだ。栗の立木を手製の磨製石器でぶっ叩いて切り倒して持ってきた。写真右手に見えるように、切り口は鉛筆を削ったような形になる。丸太を削って角材にして柱や梁にすることも出来る。尖った打製石器よりも丸みを帯びた磨製石器の方が欠け難いので、こうした作業には適しているのだそうだ。「人類と建築の歴史」(藤森照信)によれば(だったと思うけど)磨製石器が生まれて木材の利用が可能になって、建築の歴史が始まったという。