マサカリ大工その2

west2692008-09-09

マサカリ大工の手業をもう一つ。
現在のような製材機械がない時代に原始的な道具を使ってどのように木を加工していたのか。昨日の大工が子供たちを相手に行なった実演を紹介します。
右上の写真は木で作ったクサビ。素材はクヌギとかナラなどの広葉樹や杉などの針葉樹。これは鉄器を使ってクサビ状に削って作られたもの。このクサビを丸太の側面から下の写真のように打ち込んで割る。


広葉樹などの硬く細い木のクサビを打ち込み、最初のひび割れを作り、順次にクサビを太くしてゆきながら割れ目を押し広げてゆく。
横からこのように並べて打ち込むと、スクスクと育った口径の大きい木材ほどきれいに割れる。意外だが、薪割りの要領で小口から割るのでは木の元に戻ろうとする抵抗が大きく、クサビは打ち込むことも抜くことも出来なくなってしまう。
鉄器の斧やクサビがあるのに、あえて木のクサビを使う理由は「先端が丸くなったり、欠けたりした際の修理が鉄器を研ぐよりも早いので、結果的に生産性が高いから」とのこと。枝のような細い木を使って、何倍もの太さの木を割るところが面白い。
最後はチョウナで仕上げ次のような柱が出来上がる。