へら、へら、へら。

west2692008-09-13

今日の一枚は竹のヘラ。三つ並べて笑っているわけではない。

切り倒したばかりの杉の木は皮が柔らかい。こいつをグッと刺して木の幹に沿ってぐるりと廻す。上下二箇所を輪切りにして、それぞれを一直線で結ぶと、クルリと皮がむける。

上の写真のように素人の体験参加者でも瞬く間に丸裸にしてしまう。
こうして取れる杉皮は防水性能があるので、かつては屋根や外壁に使われていた。今ではルーフィングと呼ばれる、石油から出来るアスファルトをしみこませた紙が屋根の防水に使われているが、古い民家の瓦屋根の下地にはこの杉皮が使われていた。現在は数奇屋建築の露地門や、造園の一部に使われるのみで、需要は少ない。山奥から搬出しても、経費倒れになるので、多くが廃棄処分されるという。

我が家の屋根はカラー鉄板葺きで、確か1968年と1985年に葺き替えているが、錆がひどくなり2年前に塗り替えた。
約25年前に知り合いが杉皮葺きの門を作った。いまだ雨漏りはない。
それなら、金属屋根の寿命も杉皮葺きの耐用年数もあまり変わらないじゃないか。という訳で、こんな風に杉皮葺に挑戦しています。