脇役

west2692008-09-22

長い歳月を生き延びてきたお年寄りの「おとぼけ」ように、古民家にだって「味のある」ところがある。
それは大きな梁や大黒柱などの表に出ている部分とは限らない。大抵「味のある」のは脇役だ。脇役は民家再生の際の強力な味方でもある。

今日の一枚は養蚕農家で使われたスノコ天井(床でもある)の板。再生工事でもほとんど再利用されず捨てられるようだ。
この「陣馬街道の家」でも大量に出てきた。
幅も厚みも樹種も異なり、しかも曲っている。しかし、住まう人にとっては愛着のある家の一部であり、是非使いたいとの希望もあった。水平面である床に使うとすれば凹凸が気になるが、垂直面なら機能的な問題はないので手摺の格子に再使用した。

手摺の支柱には同じ家から出てきた古材を使っている。昔馴染みの仲間達は、こうして居場所が変わっても仲良くこの家で働いている。