トイレはどうなんだ

west2692008-09-21

「そして私は 見て来たものを 島々を 波を 岬を 日光月光を だれもきいていないと知りながら 語りつづけた……」(立原道造

立原道造は高校の国語の教科書で知った。年譜に建築家とあったが、繊細な詩を書く人の印象の方が強くて、どんな建築作品を残したのかは知らないまま今まできてしまった。
彼の未完のプロジェクトであるヒヤシンスハウスが雑誌に紹介され、うかつにもというか、今頃になり、才能のある建築家だったことを知った。
では一度訪ねて見てみようと、いったい何処にあるのかと調べたら「別所沼公園」とあった。
埼玉県で住宅の設計が進行中で、敷地の前にそんな名前の池があったぞ。
と、いう訳で打ち合わせの休憩時間に歩いてみたら、公園の一角にポツリと建っていた。

残念ながら休館日で中には入れなかった。プランを見ると細長い4.5坪の建物にベッド・書棚・机・テーブル・ベンチとトイレが詰まっている。トイレは居間とドア一枚で仕切られているだけだが、計画当時は水洗だったのかどうだったのかが気になるな。

今日の一枚はヒヤシンスハウスの雨戸のデザイン。このモチーフは内部の椅子の背もたれにも見られる。