耐久性と耐震性

west2692008-12-14

今日の写真は大阪府池上遺跡の建物。弥生時代の建築を復元したもの。
何に使われていたのかは知らないが、こんなに大きな建物があったらしい。
太古の建築はこんな風に掘っ立て柱で建っていたという。掘っ立て小屋というのは貧しい建物を言い表しているように思えるが、貧相どころか、太い柱を地面に何本も埋めてがっちりと屋根を支えていた。見た目にもストレートで力強い。耐久性に若干疑問があったとしても、これなら地震にも強かっただろう。

時代が下り、石の上に柱を建てるようになり、建物の耐久性は向上したという。今では鉄筋コンクリートの基礎の上に土台を並べて柱を立てるのが標準になった。確かに施工性は向上したが、地震には弱くなっている。だから、金物やら筋交いやらを駆使して建物を固めなければならないし、それがややこしい法律にもなってしまった。
木造建築の耐久性と耐震性は矛盾するのかもしれない。そして耐久性と寿命も比例しない。

減価償却とやらの経済的な理屈では、寿命が実際よりも短く算定される。それに流行もある。いくら頑丈に作っても、現代建築がこの世に存在できる時間は掘っ立て柱の時代よりずっと短い。
はたして、現代の建築には数千年後の人々が学ぶものがあるんだろうか。
人類の歴史から見たら、何だかちっとも進歩していないように思えた。