法律は不思議な世界

west2692008-12-15

法律と言うのは不思議な世界で、日常の言葉と言うか感覚が通用しないことがある。例えば樽を横に転がして中に住むとする。実際には家でも、地面に固定していないので法律的には建築ではない。
さて、建築基準法によれば、建物を建てる場合、建物の敷地は道路に直接くっついていなければならない。
運悪く道路と敷地の間に川が流れている場合は橋を架けなければならない。たとえ30センチ幅の川でも、「国有水面占有許可」と言うのを取って、架橋しなければならない。場合によっては、許可を取るのに半年近くかかる。「私は川を飛び越えて出入りするからいいよ」と言うわけにはいかない。「車で出入りできないと、緊急車両が入れないでしょ」と些細なことには実に熱心に世話を焼いてくれる。

新潟でこんな入り口を見つけた(今日の一枚)。川に面して出入り口がある。船着場のようでもある。
名高いベニスの町も川に面して建物が建っているという。消防車やら、救急車やらどうしているのか不明だが、日常の出入りに不自由が無ければ目の前が道路で無くても良いわけだ。
辺りに船は見えないが、雑草が生えていないので現役かもしれない。他には出入り口も見当たらない。法律はどうなっているのか。しかし、ここから出入りするのも楽しそうだ。

その川沿いにしばし歩くと、こんな建物があった。

建築の法律では、建築は地面の上に建っていなければならない。こんな計画の図面を役所に持っていたら絶対に受け付けてもらえない。
どうしてこんなことが可能だったんだろう。これは建築に見えるけど法律的には橋なのかな。向こうは壁なので川は渡れないけど。