お師匠さん

west2692008-12-19

今日の一枚は「縄文の遺伝子展」設営の様子です。ご来場お待ちしています。

さて、今日は韮崎で民家の調査。このお宅には主屋の他に蔵が6棟、納屋と内塀、それに中門がある。それらの大きさや建物同士の位置関係を図面化するために平板とレベルの測量を行うことになった。

先ずは午前中でも日が当たる北側の測量から始めた。思いの外時間が掛かり、12時になってしまった。とりあえず測量機材を置いて食事に行こう、家の南側に回ると、お蔵の前にある草むらの窪みに黒い猫がいた。
留守がちな家なのでのんびりと昼寝をしていたらしい。この家の住猫ではないが彼もしくは彼女にとっては我々のほうこそが突然の闖入者なのだろう。慌てて走り去って行った。
昼食を終えて戻ると、同じ所から同じように飛び出して行った。
3時の休憩後に戻ると、今度はもう少し離れた所から飛び出して内塀の屋根の上に登り、弱い陽射しを浴びていた。しかしカメラを構えるとこんな風に振り向いて、居なくなってしまった。

猫は日光浴をしながら体毛の間に太陽の熱をためるという。体ごとパッシブソーラーシステムなのだといったことが、昔読んだ「ソーラーキャット」という本に書いてあった。我々の事務所にとってはお師匠さんみたいなものだ。丁重に接するどころか、今日は彼の蓄熱作業の邪魔をしてしまった訳だ。今夜はいつもよりも寒い夜を過ごさなければいけないのかなと、申し訳ない気持ちになった。