枕木とレール

west2692008-12-30

今日の一枚は枕木とレール。鉄道工事ではなく、民家の再生工事です。曳屋・揚屋などという作業。この上を電車は走らず民家が載る。
スタッフが冬休みに入ったので事務所は休み。でも昨日は打ち合わせがあったので出社した。最後に年越し工事中の現場を見に行った。誰もいないだろうと思っていたが、曳屋業者が仕事をしていた。

写真のように柱の近くに枕木を井桁に組んでレールを載せる。レールと柱を緊結して写真の中央部に見える赤いジャッキを使って少しずつ建物を持ち上げる。

古民家は石で出来た基礎の上に建物が建っている。「石場建て」といって、この方法自体の耐震性は賛否両論あり、いまだ結論は出ていないが、むしろ問題は石の上に置いた土台と地面が近くて、長い間に流れ込んだ土で土台が埋まってしまうことにある。

土に含まれた水分により土台が腐り、建物が傾く。または柱は土台から抜けやすくなる。これでは建物の本来の耐震性能を発揮できない。古い木造の地震被害の一因でもある。

土台が腐食していたり、水はけの悪い敷地条件の場合はこのように建物を持ち上げて、新たに基礎を設けて土台の腐食を防ぐことになる。

下の写真は以前行った曳屋の様子。2階建てではなく、建物を上げきった状態。下には井桁状に組んだ枕木が見える。
この下に潜り込んで鉄筋コンクリートの基礎を造り、柱の下に土台を取り付け、再び元の位置に建物を戻す。