茅葺屋根の解体風景

west2692009-02-06

今日の一枚は茅葺民家の解体風景。これは山梨県東部の旧塩山市上萩原にあった民家。屋根の中央部分の一段高くなっているところを「突き上げ屋根」とか「櫓造り」など言う。養蚕時の通風・採光の為に切り妻屋根の一部をこのように変形しているのがこの地域の特徴。私達は「甲州民家」と言っているが、年々壊されて現存数が少なくなってきて「絶滅危惧種になりつつある。
ちなみに茅葺屋根といっても、この辺りで葺かれている屋根材は麦藁が多い。昔は「ムイカラ屋根」と呼んでいた記憶がある。御承知の通りこの素材は良く燃える。近所の友達と軒下で火遊びをして大騒ぎになったこともある。茅葺屋根は趣が良くて魅力的だが、住んでいた人たちは大変な緊張感を必要としたことだろう。
下の写真は棟の部分の部品。確か「鞍掛」と呼ばれていた。

茅葺屋根は棟の部分の雨漏り対策が重要だという。下から段々葺き上げた茅の天辺をこんな格好に束ねた藁で押さえていた。この民家では更にカラー鉄板で覆ってあったが、そのまた昔は杉皮で包んで竹で押さえていたようだ。