火の鳥ビル

west2692009-02-08

新宿のパークタワービルで行われている「ミース賞展」を見に行った。ここでは過去20年間の受賞作品を展示している。今日の一枚はそんな作品のひとつ。手塚治虫の「火の鳥」には人間がこんな具合に見えてしまうエピソードがあった。
「ミース」というのはドイツ生まれの建築家で、アメリカに行って鉄骨の高層ビルを沢山設計した。日本の超高層ビルはその子孫みたいなものだ。だから近代建築の巨匠の1人と言われている。学校で習った名前はもう少し長くて、ルードリッヒ・ミース・ファン・デル・ローエという。
そういう人を記念して設けられた賞だから、建築の歴史というか進歩に貢献した作品なり建築家に対して与えられる。建築に「進歩」というのがあるかどうかはともかく、建築業界に生息する1人として世の潮流は知っておきたい。そんな訳でちょっとのぞいてみた。
この手の展示会場は撮影禁止・作品に手を触れることも不可だが、ここは話がわかる。ノートを出してメモをしていたら、学芸員が寄ってきて「写真撮影しても良いですよ」という。ついでにミースがデザインした名高いバルセロナチェアーも腰掛けOKだった。座り心地も良かったな。

下の写真はそんな作品の1つ、ニコラス・グリム・ショーという人の建築。大きな屋根を支える軽やかな鉄骨のトラスが面白い。

近代建築というものは抽象度が高くて、どんな形だろうと相応の機能を盛り込んで建築にしてしまう。それを実現してしまうだけの技術的基盤も整っている訳だ。この建物は体育館でも駅舎でも、場合によってはスーパーマーケットですと説明されても納得してしまうかも知れないし、そうすることも可能だろう。
正直言って体育館の模型なのか思ったが、ウォーターローというところにある国際駅舎の構造模型だった。すると右側のカイコみたいな木の塊りは電車か。