元祖蒸籠倉

west2692009-02-12


「小田原の家」オープンハウスまであと2日。やはり関係ないけれど今日も餅つきの話題。そんな訳で今日の一枚は蒸籠と釜そして竈のセットなのだ。
通常のお米を炊く時と違って、もち米は「蒸す」という。変だなあ「炊くんじゃないのか」と思っていた。見ていると、先ず最初に蒸籠の中に米を入れ、下の釜に水を入れた。竈で火を焚き、水を沸騰させ、発生する蒸気でお米を蒸していた。成る程「確かに言葉の正しい意味で蒸す」訳だ。

ところで、写真の蒸籠は金属製だが、従来の蒸籠は板を井桁状に組んで造られていた。これを大きくして建築になると蒸籠倉などと呼んだりもする。厚さ6センチくらいの栗板を使った蔵もある。蔵と調理道具のどちらが本家本元の語源なのかは判らない。

さて、餅つきは杵と臼でペッタン、ぺッタンと突く行為がメインのイベントだが、以外に前段階の準備に時間がかかるのだ。
もち米は前の晩洗って水につけておかなければならないとの指導を受けて、今回は前日の4時頃から漬け込んでおいた。お米は一番に蒸し始めるが、所要時間は約45分かかる。杵で突くこと自体は5,6分で終わるので簡便に見えるが、準備作業に随分手間がかかる。目立つパーフォーマンスは実はこうした地味な作業に支えられている。
餅そのものは保存食でファーストフードっぽいが、本質はスローフードなんだな。
下の写真はお寺で借りた杵と臼。

この臼は欅で出来ている。ここまでの太さに成長する時間も含めれば、餅はウルトラスローフードかも知れない。餅を食べて、だいぶ経ってからそんなことをフト思った。