足元を見る

west2692009-02-24

今日も昨日の続き。柱の足元の話です。

木で出来た擬洋風建築の柱は、ギリシャ神殿というかヨーロッパの古典建築の石柱を模倣したもので、石柱は元々は木製の柱だったというのが昨日の話。まことかどうか、パルテノン神殿のエンタシス(中央部分のふくらみ)がシルクロードを通って、日本に伝わり法隆寺金堂の柱になったという説もある。
進化論的には文化が伝播してきたというのはもっともらしいが、なんだか私達のいる地球の東側は遅れた地域で、他所の発明のおこぼれを貰ってきたみたいだな。反対に人間の思考には類似性もあり、離れた場所で同じようなことをそれぞれ単独で考え出すという説だってあるのだ。建築は同じ物理的原理に支配されるから、必然的に同じような解決方法をとることだってあるだろう。

ちなみに擬洋風建築の柱脚の納め方は禅宗寺院に於ける柱の納め方にも似ている。下の写真で某禅宗寺院と中込学校の柱脚部分を並べてみる。

左が中込学校。右が禅宗寺院。
柱の下に見えているそろばん玉みたいなやつを海の向こうではバーシスとかベース、日本では礎盤と呼ぶ。擬洋風建築を担った人には宮大工が多いが、こういった伝統的な技術と共通する考え方が基礎にあったから、短時間で洋風建築を実現することが可能だったんだろう。