破風板の修理。

west2692009-07-25

これは新しく計画した建物の模型。では無く、大斗だと思う。社寺建築の柱の天辺にあって、様々な組み物を支える部品だ。鋸目のところを削って肘木という部材を受ける。この鋸目がレンガ造りの建物の窓に一瞬見えた。こんな形の建物を設計してみようかな。楽しそうだ。希望者いませんか?
さて、ヨーロッパでは正式な模型は木で造るんだとか。「正式な模型」と言うのが何をさすのか実は良く知らないが、設計図面に匹敵するような性格のものなのかも知れない。以前見に行った、ルイス・カーンという建築家の作品展でも木製の模型が展示してあった。そういえば未完の建築で知られるバルセロナサグラダファミリア教会の地下にも完成状態やら、部分のデザインを示す模型が置いてあった。3次元の複雑な構成からなる建築のアイデアを伝えるには模型が一番適しているんだろう。
下の写真は破風板の先端部分の修理をしている所。

先ほどの大斗のある建物に付いている。知り合いの工務店の作業場では大工がこんな作業をしていた。中央部分の風化した所がオリジナル部品。1770年のもの。上下に新しい木材を接ぎ木して同じように彫刻を掘るのだそうな。腐食または風化した状態でかろうじて残った痕跡から、かつての形を復元する。
これは図面でも模型でもない。本番の原寸の世界だ。何度も修正を加えて元の形に近づけてゆく。