絶滅危惧種

west2692009-12-31

今日の一枚は「昨日の月」。
今日で2009年も終わり。明日から2010年になる。干支では寅年になる。ところで、現在世界中で生息している虎の総数は3500から4000頭くらいしかいないとのことで、もはや絶滅の危機に瀕しているという。100年前には10万頭以上いたというから、この急激な減り方はあまりにも酷い話だと思う。
さて、高校の教科書で読んだ「山月記」は詩人を志した男が虎になってしまう話だった。当時は、男の語る変身事情を、見果てぬ夢を追った人物の自嘲的でもあり、懺悔のようでもある悲劇的な物語に感じたけれど、「それはちょっと理解が浅いぞ」という意見もある。
「尊大な羞恥心に耐えて虎のように創造の道を生きる」という作者の覚悟というか決意表明なんだそうだ。それは他者を傷つける恐れもあり、自らは孤独でもある。
しかし、そんな虎も今は絶滅危惧種だ。21世紀に芸術を目指す人はもはや芋虫に変身するしかないのかな?→いもむし男
そんな訳で今年最後の写真は「微笑仏」。

木喰白道の作。塩山にある上条集落の観音堂に安置されています。それでは、どうぞ良いお年を。