火の用心

west2692011-01-03

今日の一枚は吉島家住宅の中庭。
我が家のある辺りには消防署の他に消防団という組織がある。毎年正月は団員が寄付金を集めにやって来る。
しかし、事前の連絡もなく、いきなり訊ねてくる。何日の何時に来るのか皆目判らない。随分一方的な話なのだ。怠惰に寝正月を決め込みたいが、我が家にはインターフォンが無い。呼び鈴も無い。玄関戸をガタガタと叩かれて起こされるのも、何かの取り立てみたいで情けない。仕方なしに起き出して、あてもなく待つことにする。遠くの気配に耳を澄ませて朝食を取っているとかすかに勝手口から名前を呼ぶ声が聞こえる。いつも3,4人で制服を着てガヤガヤと来るけれど、今年は一人で静かにやって来たのだ。
引き換えに、赤い字で「火の用心」と書かれた電車の時刻表を置いて行った。これは毎年同じデザインで電車の運行時間も同じだ。それを毎年同じ場所に貼り替える。お札みたいなものなのだ。「火の用心」。
そんな訳でもう一枚は寒椿。

消防団員が帰った後、縁側から外をぼんやり眺めていると、椿の向こう側にある柿の枯れ枝にモズが止まった。随分低い所にいる。これは撮影のチャンスとばかりにカメラを持ちに行って戻ると、高い電線の上に場所を変えていた。