意外な発見

west2692011-07-03

今日の一枚は昨日調査した北巨摩の民家。一見なんでもない普通の家に見えるが、侮れない。古民家の構造には意外な発見がある。
茅葺民家と違い、瓦葺き屋根でしかも切り妻型だから比較的調査は簡単に思えた。土台も桁も母屋も棟木も露出している。おあつらえ向きに長いハシゴも置いてある。これで矩計の調査は楽勝なのだ。でもなんだかヘンだな。この家は北南の長さが9メートルあるけど途中に柱が無い。妻側の屋根の出(ケラバと呼んでいる)だって1.4メートルはある。かなり重いはずなのだ。どうやってもたせているのだろう。
写真に写っているアルミサッシの向こう側は廊下になっていて、新建材の天井ボードが張ってあり天井裏は覗けない。廊下の内側の座敷の天井からのぞいても、壁があって視界を遮っている。
通常の基本調査の段階ではここで諦めるが、合板のサイディングを留めている釘があちこち緩んでいるではないか。試に外壁をめくってみた。風化しかかった合板はメリメリと簡単に剥がれるのだ。
こちらは謎の答。

一般にサイディングと呼ぶところの、立縞の白い壁材の内側に隠れていた長さ9メートル、梁幅15センチ、梁成39センチの梁が屋根を支えていた。