旧道を行く

甲府盆地側から河口湖に向かう御坂峠を越える旧道は夏の間だけ通行可能になっている。狭くて曲りくねった旧道を延々と走り、トンネルを抜けると視界の開けた頂上に出る。溶岩石で入り口を化粧した年代物のトンネルの脇にはこんな花が咲いていた。今日の一枚。ヤマアジサイ。
今が盛りと見えて藪の中であちらこちらに花をつけているが、見慣れた普通のアジサイに比べると随分控えめな感じがする。この日一緒だったY氏によれば道の傍らで無造作に生えているが、市街地の庭先には簡単に根付かない。茶花として人気が高いので、自分たちは専門業者に委託して取り寄せている。仕事に使うとなると高価な花なのだそうだ・・・。
この峠をバスで通った作家は「富士には月見草がよく似合う」と書いたけれど、侮りがたい草木が他にもあったのだった。
そんな訳でもう一枚は太宰治の逗留した天下茶屋から見る河口湖の風景。

正面の雲の中に富士が隠れている。