茅屋根の覆い

west2692011-07-29

今日は河口湖のお仕事。旅館や土産物店で賑わう商店街の対岸にある大石地区には茅葺民家がまだ沢山残っている。その中の一棟の屋根の修繕。茅葺屋根の上を覆っている鉄板の葺き替えを行うことになったのだ。
古い鉄板を取るとこんな風になっていた。
茅屋根に杭のように角材を打ち込み、角材を水平に留める。留めた角材を母屋にして垂木を流す。垂木の上に更に角材を打ち付けて、その上に金属板を取り付けていた。野地板は無い。古い屋根の表面は凹凸が激しいので杭の長さはそれぞれ異なる。場所によっては茅屋根の凹んだところに丸太を押し込んで厚みの調整をしていた。
現在から比べると昔の人は、おおらかというか適当というか、それでもこれで数十年雨を防いでいた訳だ。
こちらは先ほどの写真を撮った屋根面の反対側の風景。

マンモス狩りか山登りの練習みたいに見えるけど、少し違う。頂上で登ったことを悔やんでいる訳でもない。茅屋根は滑る上に、急勾配だ。しかし足場が掛けられないので、棟部分からロープを垂らし、安全帯に利用しながら茅を剥ぎ取っているのだった。