空の形

west2692009-05-29

電車で東京駅に下りたらこんな風になっていた。東京駅は出来たての頃は3階建てだったけど、空襲で焼かれて修理した際に2階建てになった。つまり見慣れた東京駅はオリジナルじゃなくて応急処置のものだったらしい。かりそめの姿で60年近く過ごして来たのだという。で、今回どういういきさつかは知らないが、建築当時の姿に復元するらしい。
東京駅の前は広々としていた印象があるが、今は工事中のためかごった返している。田舎生まれの、田舎暮らしの人間だから周囲の地形で方角を把握する傾向がある。東京を歩く時は山が見えないから、ビルの固まり具合や高低差、簡単に言うと空の形で位置関係を掴んでいるが、街並みの形が変わると途端に迷う。駅前の東京中央郵便局も壊していた。もう1つの目印が無いので方角が判らなくなってしまった。困った。
こちらは空襲には無事生き延びたが、民営化による経済活動が致命的だった訳だ。お金というものは戦争よりも破壊力があるんだな。いつか見たアメリカの映画で、主人公が子供の頃いたずら書きをした公園のベンチが大人になっても残っていたシーンがあったけど、この国では望むべくも無いようだ。
下の写真はそんな解体中の東京中央郵便局。

東京駅は昔の形に復元中。反対に、こちらは東京駅側の2列を残して解体したところ。これから、後ろに高層ビルを貼り付ける。ついでに言えば御近所の三菱一号館は復元したばかりだ。それにしても、壊したり、直したり、外したり、付けたり、古くなったり、新しくなったり、忙しい話だなあ。