大容量記録メディア「焼き鏝」 

west2692009-05-28

今日の一枚は焼き鏝の見本。鉄でハンコを作っておいて、赤く焼き、木材に焼印を押す。これならば書き文字のように容易に消えない。
古い建物の修理では基本的に使える部材はすべて再使用するが、当然腐ったり割れたりやせ細ったりしている材料もある。接ぎ木などの修理を施したり、取り替える部材もでてくる。補強のための梁や柱もある。
このような印をつけておけば、当初からの材料と補修のための材料の区別がつく訳だ。
我々が今記録している電子データーはソフトの形式が異なったら読み込めないし、記録メディアだって壊れやすい。大量に高速で処理できるが、条件が整っていなければ未来にまで残せるのかどうか。なんとも危うい保存方法に依存している。
焼き鏝は実にシンプルだ。年号が記されているだけ。それでこの建物の修理に関する情報のほとんどが伝わる。
下の写真は建物の付属部分の解体を終えた様子。

左の方ではコンクリートの土間を取った後で、地面から出てきた石の様子を調べている所。石にはチョークで印をつけて、発掘された位置を記録する。ここには既に建物は残っていないけれど、これで昔と同じ位置に建物を復元できるのだ。
土の中には我々のハードディスクと同じように、多くの情報が埋もれている。