焼け跡のある家

west2692009-06-01

一体何を撮ったのかというと、焼け跡。うっすらと黒い跡が見えるだろうか。年代は不明だが、この建物は以前火事を出したことがあるという。
この建物というのは、宮光園の主屋の裏にある離れ座敷。主屋に近接して建っている。手を伸ばせば届くので、エイヤッと、飛び移ることだって可能だ。崩れかかっていて、公開時に危険なので、今回の修理に際して一時的に移動する。何年後かの再建工事の為に現状を記録しておかなければならない。下の写真からも判るように、まるでというか、間違いなく廃屋に見える。

3年ほど前にもこんな状態で家屋の内部を調査したが、当時は雨戸をしっかり建て込んでいた。しかも動かない。無理に動かすと壊れる。自然に壊れるのは仕方ないが、人為的に壊すわけには行かない。そんな訳で、暗い上に足場が悪くて危険で測定不能な所があった。
今回建物の解体をするので、前回不明だった箇所の追跡調査を行った。屋根を取って明るくなったところで見ると新しい発見がある。これはそんな発見の1つ。火災痕。
石の表面に黒い痕跡があるのが証拠なんだそうな。床下に廻った火で柱が燃えたのではないかとのこと。そうやって眺めてみると、床下にはあっちこっちに炭化した木材のかけらや、焼け焦げた石があった。真っ黒に焦げた大引きという床の下地材も出てきた。室内の木材はすべて取り替えたようだが、床下は火事の後を残したまま手直ししたようだ。しかし、当時の人はそれで平気だったんだろうか。
もう1つおまけの写真。

これは床下に残っていた昔の看板。雨漏りのする場所だったが、他の荷物に覆われて保存状態は良好だった。唯一残された貴重なもの。