エル・タバード 埋もれた宝

west2692009-06-21

今日の写真はシロツメ草。2004年6月20日撮影。
庭の草が伸びてきた。前庭にはピンカ・マジョールがはびこっている。裏庭はドクダミセイタカアワダチソウとミントが生い茂って、足の踏み場も無い。カエデの枝が隣家の通用口にまで張り出している。棘のついた山椒の枝は道路に大きくはみ出ている。近所迷惑なことだ。ここのところ土日は外出気味だったので、庭はほったらかしだった。日曜日には何とかしようと心に決めていたが、なんと朝から雨が降っているではないか。
そんな訳で今日は久しぶりに朝から読書だ。晴耕雨読。雨の一日も悪くはない。眞か嘘か、読書は怠け者の娯楽なんだそうな。「長いお別れ」(レイモンド・チャンドラー村上春樹訳)を読んだ。しばらく知人に貸し出していて、先週戻ってきたばかりだ。発売されてすぐ読み、今年3月読み返していた。持ち歩いていた本に知人が目を留めて「古い本を読んでいるじゃないの。私も昔読んだわよ。懐かしいから貸して頂戴」。そんな勢いにのまれて、読みかけのまま貸し出していた。

久しぶりに再読すると物語の伏線やら構成やら細部の仕掛けやら様々な発見がある。それにしても、どうして初めに気がつかないのかな。うかつなことだ。
さて、話のなかにエル・タパードと言う店の名前が出てきた。怪しげな人物の経営するバーだか何だかで、毎年看板を架け替える得体の知れない店だ。ほんの数行、寄り道程度の記述だが、この本はこんな所が面白く描かれている。スペイン語で「埋もれた宝」と言う意味なんだそうだ。
「偶然」だが前述の知人が経営するレストランと同じ名前だった。通りに面したビルだが、入り口がとても判り難い。看板も小さいし、窓だって不透明ガラスで中がまったく見えない。しかも狭い階段を上った2階にある。設計も「本当に良いんですか?」「良いのよ!」の繰り返しだったなあ。成る程そうだったのか。「埋もれた宝」。人に見つからないように商売したかったんだ。

工事中のエル・タバード