砂の家

west2692009-07-04

今日の一枚は「千鳥写真館の窓」。以前は同級生の一家が住んでいた。大学入試の申し込みに必要な写真もここで撮った。
スタッフのM君が建物の写真をみて、「これはどこにあるのか」と聞くから、「塩山市内。市役所の西側の道を北に上って、中村紘子のいた家の前を通って、セブンイレブンの先にある信用金庫の向かいなのだ」と教えたら驚いていた。
市内の文化財についちゃ詳しかったが、さすがに彼もここまでは知らなかったんだ。事務所と自宅の往復で、市内の探索時間が不足しているようだ。新しい道路が出来たので、この通りを走る機会もない。灯台下暗しなのだ。無理もないか。塩山在住の古い建物好きな仲間内では有名なんだけどな。

某協会のレア物建築の好きな方たちにも来年2月に教えてあげよう。もしかすると、Kさんあたりはもう知ってるかもしれないが。

下の写真はそんな千鳥写真館の全景。実は我が家から歩いて5,6分のところにあるのに、ここ数年間御無沙汰だった。残っていて良かった。

一見石造風だが、構造は木でできている。砂状の小石を練って固めて、目地をつけて石積みのように見せた「砂の家」なのだ。ついでに、石造りの建物では石工が石を削って彫刻をはじめとする装飾を作っているが、こちらは左官が砂を練って鏝で盛り上げて、彫刻と同様な模様を作ってしまった。
「紛い物」と言ってしまえばそれまでだが、技能が紛い物だったらこれを生み出すことも出来ない訳だ。
久しぶりに見たら、側面のモルタルが剥げ落ちて下地の木摺が見えていた。何とかこれからも残って欲しい。

追記
先日(7月1日の)漢字「南野呂千米寺」の読みはどうやら「みなみのろせんまいじ」ではなくて流浪猫さんの御指摘の通り「みなみのろせんべいじ」が正しいようです。ここに訂正します。で、これはなんと読むでしょうか?→「西広門田」。